完成されたメランコリックなメロディ。
ダンスミュージックというとどういうイメージがあるでしょうか?
いわゆる「パリピ」と呼ばれる、若くて活気溢れる少し近寄りがたい若者たちが熱狂する音楽のジャンルだと思うでしょう。
流行は繰り返されるといいますが、2010年代頃から始まったEDM(エレクトリックダンスミュージック)ブームは80年代の日本のディスコブームを彷彿とさせます。
そんなEDMブームでトップに輝くアーティストの一人にスウェーデン出身のAviciiがいます。彼の生み出す音楽は世界中の人々を熱狂させ、日本にも多くのファンがいました。ところが2018年4月20日、彼が突然オマーンで亡くなったというニュースが世界中を駆け巡りました。
まさに今活動真っ最中で人気もあるアーティストの突然の訃報は、いつの時代もとても衝撃的です。
ダンスミュージックの分野で活躍する多くのアーティスト、DJと呼ばれる人たちは毎日のように世界中のどこかでDJをし、莫大な金額を稼ぎます。
トップのカルヴィン・ハリスというDJは年収が何十億だそうです。Aviciiはそんな毎日に大きなプレッシャーを感じていました。
彼の生み出す音楽は若者を熱狂させるには十分ですが、その歌詞やメロディからは孤独感やメランコリックな印象が見え隠れします。
私自身憂鬱とした気分のとき、励まされたのは彼の音楽でした。彼は2枚のアルバムを出しています。その中からマイナーですが、私を元気づけさせてくれる楽曲を一つ紹介して彼のレビューを終えたいと思います。アルバム"Stories"に収録されている"Trouble"という曲は歌詞もメロディも彼の音楽を体験するには十分だと思います。
ダンスミュージックが新しい分野を開拓している中、彼の音楽は次の10年の音楽の推移を見る中で一つの指標となるでしょう。