アイの歌声を聴かせて

アイの歌声を聴かせて

『アイの歌声を聴かせて』とは、吉浦康裕が監督・脚本を務めた日本のアニメーション映画である。2021年に公開された。監督が得意とするAIと人間の関係を高校生の群像劇という形でみせたエンターテインメント作品。AIが人間の幸せを願う純粋な想いは、歌とともに多くの人たちに波及していく。第45回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した。主人公のAIシオンを土屋太鳳が演じ、多彩な楽曲をエモーショナルに歌い上げ、もうひとりの主人公サトミを福原遥、幼なじみのトウマを工藤阿須加が演じた。

go-1116949639773571768151のレビュー・評価・感想

アイの歌声を聴かせて
8

夏休みに見たくなるような青春映画。手堅く纏まった優等生のような作品

「アイの歌声を聴かせて」ですが、自分自身が見るキッカケとなったのはレビューサイトや個人からの評判を見て、見てみようかなと思いました。

自分にとって評判が良いというのは正直不思議でした。
情報を調べる限り有名俳優を声優に起用など、アニメ映画でよく聞く失敗の要素が多いのに面白いという声が多い。
ネタバレを回避して調べたため、具体的にどこまで面白いか不明ながらも不安と期待半分で観に行った結果……確かにこの映画は面白い。

話の構成や声優の演技力。必要な部分で存分に作画がヌルヌル動いたりと、個人的にはこちらの作品の方が上であると断言します。

内容は近未来、ネットなどの現在よりも設備が充実した世界の田舎でこの話は始まります。
主人公は田舎に住む高校生の女の子。主人公は母親と二人暮しで関係も良好ですが、通う高校の皆からは冷めた目で見られています。
どうしてそういった目で見られるのかは序盤の台詞から察せますが、作中で明かされていきます。

そんな主人公のクラスに中で女の子の転校生がやってきます。
この転校生がもう1人の主人公と言える存在で、この映画のキーであり進行役です。
主人公と転校生の出会いは何事もなく……とはいかず、何故か主人公とは面識が無いはずなのに転校生は主人公の名前を呼びます。
もちろん、主人公はなぜ彼女が自分の事を知ってるのかは実は理解していました。
なぜなら彼女こそ、今朝母親の仕事のデータに映し出されていたロボットだったからです。
だから彼女は自分の事を知ってるのだと考え、同時にこれは極秘の実験故に発覚すると大問題。
そのため彼女がロボットである事を知られては行けない、隠さなければ!と思い、そこから物語は数人のクラスメイトを巻き込んで動き出します。

見終わったとき感じたのは充実感と、不思議と夏を感じました。
青臭いような青春劇を見せられ、ミュージカルも見せられ、と人によっては共感羞恥を感じてしまうかも知れません。
しかし、それも序盤まで。
映画はオムニバス形式のように理解しやすく物語が進んでいきます。
進むにつれて張り巡らされた伏線に驚き、物語に魅せられていきます。

絶賛、とびっきりの名作ではありません。
しかし、ふとした拍子にあの映画良かったなぁ……そうなる映画です。
公開のタイミングが悪く、多くの人に観てもらいたいと思いレビューしました。
オススメです。