死印

死印

『死印』は2017年にエクスペリエンスから発売された都市伝説・心霊ホラーアドベンチャーゲーム。1990年代の東京都H市を舞台に、記憶喪失の主人公が体に謎の痣シルシが刻まれた人物が不審死を遂げるという怪事件の調査を行う様子を描く。ジャパニーズホラー的な「怖さ」を突き詰めた作品であり、本作独自の「デッドリーチョイス」というシステムがプレイヤーに緊張感をもたらしている。

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死印
8

懐かしくも新しい恐怖

2017年にVita版で発売され、PS4、Switch、Xboxに移植された、90年代の東京が舞台のホラーアドベンチャーゲームです。「シルシ」と呼ばれる死を予告する不気味な痣を刻まれた主人公が、同じくシルシを持つ者たち「印人」と協力して、街に現れる怪異の謎を追うというストーリーです。
システムは一枚絵の中から気になる個所をスポットして探索し、アイテムを収拾、利用しながら進んでいくというものです。集めたアイテムは各章の怪異を倒す際にも用いられ、怪異を成仏させる「救済」か怪異を退治する「破壊」かによってストーリーが変化します。
また、探索には各章で出会う印人のうち一人を同行させることができます。怪異や探索場所によって相棒を入れ替えながら先へ進む必要がありますが、入れ替えるたびに時間が経過し、主人公たちに刻まれた死のカウントダウンが進行します。
探索にも危険が伴い、時には怪異に襲われることも。デッドリーチョイスと呼ばれる生命の危機と対峙するイベントが発生した場合、プレイヤーは制限時間内に正解の選択肢を選ばないと最悪の場合ゲームオーバーになります。
全体の印象としては、謎解き要素のある退廃的なホラーゲームです。印人はみな生き延びるため怪異に立ち向かいますが、記憶喪失の主人公は危険と向き合うかたわら自身の謎についても追っていく必要があります。その手助けをしてくれるのは動く人形のヒロインで、献身的ながらも謎めいた言動の多い彼女の存在が、このゲームの仄暗くも美しい雰囲気をいっそう際立たせてくれます。