御堂筋君のやり方は歪んでいるが…
弱虫ペダルの主人公である小野田坂道を自転車部に誘った今泉俊介。その今泉俊介がリベンジを果たしたいと強く思っている相手が京都伏見高校自転車競技部1年生の御堂筋翔である。小さい頃毎日のように遠く離れた母の病院まで自転車で通い、話をすることが楽しみであった御堂筋。大会で優勝するほどの実力者であり、勝利が全てと考えている。京都伏見高校に入学し、いきなり自分の実力を見せつけ、今までエースとして君臨していた石垣を引きずり降ろしエースとなった。軍隊のように部を仕切るようになった。夏のインターハイの開会式で王者箱根学園をぶっ潰すと宣言する、今泉に対して「よわ泉くん」と挑発するなど問題行動を起こす。レースが始まっても総合優勝のために山岳やスプリントを捨てる、山岳では山を苦手としているスプリンターを置いていくなど冷徹な行動が見られた。ただ、これらの行動をする背景としては「勝ちたい」という純粋な気持ちがある。勝つために必要なこととして色々と考え、実行している。それは総北高校や箱根学園をはじめとする高校が勝つためにオーダーを考えるのと同じであると思う。ただ、少し周りからの見え方が悪いだけ。実際勝つためにレースでは限界まで走り、リタイアしている姿がある。こんな御堂筋君の思いがいつか報われたらとひそかに思いながら作品を読んでいる。