幸せなひとりぼっち

幸せなひとりぼっち

『幸せなひとりぼっち』(原題:En man som heter Ove)とは、フレドリック・バックマンによる2012年の小説、およびそれを原作とした2015年のスウェーデンのコメディドラマ映画作品。映画はハンネス・ホルムが監督、ロルフ・ラッスゴードとバハール・パルスが主演を務めている。
最愛の妻ソーニャを亡くし、43年勤め続けた鉄道会社を解雇されたことで生きる希望を失った59歳の偏屈な男オーヴェを主人公とし、彼が向かいに引っ越してきた陽気なイラン人女性パルヴァネとその家族との騒々しい交流や、幼少期の父との思い出、若き日のソーニャとの出会いと悲劇の回想を交えながら、閉ざしていた心を徐々に開いて再生していく姿がユーモアを込めて描かれている。
映画版は本国スウェーデンでは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を抑えてボックスオフィスで5週連続1位を記録し、国民の約5人に1人にあたる160万人以上を動員してスウェーデン映画史上歴代3位の興行成績を樹立する大ヒットとなったほか、ゴールデン・ビートル賞で主演男優賞を受賞するなど国内外で絶賛された。さらに、第89回アカデミー賞の外国語映画賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされ、批評家からも高い評価を獲得した。のちに、2022年にはトム・ハンクス主演およびマーク・フォースター監督により『オットーという男』としてハリウッドリメイクされている。

VODKA777b8のレビュー・評価・感想

幸せなひとりぼっち
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スウェーデンのコメディ映画「幸せなひとりぼっち」

スウェーデン人が「こういうお爺さん、よくスウェーデンで見るよ」と言うような、頑固なおじいさんが主人公です。彼は近隣を自主的にパトロールして違反駐車に厳しく注意するような、真面目で気むずかしい人物。妻に先立たれ一人で暮らしていますが、物語の冒頭から自殺を試みます。銃、首吊り、ガス…様々な方法を試しますが、隣に引っ越してきた賑やかな家族に見事に毎回邪魔をされるという、ブラックユーモアが炸裂します。彼は妻を心から愛し、あとを追いたいと思い何度も自殺未遂を繰り返していました。しかし、隣人や喧嘩していた友人との仲直りなど、家出少年との同居など、人との暖かい触れ合いによって彼の心は少しずつ変わっていきます。(友人との喧嘩の理由が車のメーカーの好みの違いというのがクスッと笑えます。)煩わしがっていた子ども達とも打ち解け、怖くて頑固なだけの気むずかしい老人だった主人公は、いつしか街の人から頼りにされるようになります。老人が自殺を諦め妻との思い出に浸り、近所の人々と楽しく暮らすようになってから、皮肉にも持病によって亡くなってしまいます。最後は主人公の葬式という衝撃のラストシーンですが、これがとても暖かでほっとするハッピーエンドに仕上がっています。