まさに芸術
影の努力は怠らず成績優秀な反面、遊び人で酒とタバコもする不良優等生の主人公『矢口八虎(やぐちやとら)』が、ある日絵を描く悦びに目覚め、『日本一受験倍率が高い学科』として知られる『東京藝大の絵画科への合格』を初心者から目指す物語です(一期)。
壁にぶつかり悩んだり、それを超えていく登場人物の様々な表情や関係性が繊細に描かれており、感情がストレートに伝わってきます。高校生の若い年齢だからこそ持っている苦悩が美術を通してリアルに描かれており、作画の綺麗さも相まってまさに芸術と言える作品です。まるで本当に美術館の絵画を見ているかのような作画の表現力は圧巻。
普段絵を描かない人でも、絵の具の使い方や影の付け方など知る事ができるので勉強になります。
合格するのに3、4回浪人生をするのは当たり前と言われるほどの学校。そんな大きな壁に初心者から挑戦するとなると当然「倍率高いけど大丈夫?将来食べていけるの?堅実に言ったほうがいいんじゃない?」と言った親や教師からの圧力があります。それでも自分の好きなことをしたいという周りには中々言えない本音を勇気を持って打ち明ける矢口八虎の姿に共感や背中を押される人は少なくないのではないでしょうか。