心が浄化されるマンガ
高校二年生の住み込み家政婦、大野ふみと家主で小説家、木曳野暁が不器用ながら恋をしていく物語。
物語はもちろん、作品の絵がとても丁寧に書かれています。浴衣を着る場面がありますが、浴衣に着替えて登場するふみの姿。綺麗な中に歳相応の可愛らしさが書かれています。
その姿を見た暁先生の反応もまたいいんです。
日ごろから口数が多くなく、気の利いた言葉なんて言わない。ふみのことは歳の割に落ち着いた高校生。としか思っていない暁先生がふみのことを女性として、意識した瞬間なのでは。それでも、その気持ちに本人は気付いてない様子。
二人の恋のライバルも登場しますが、ライバルもいい人。少しモヤモヤするものの本当に嫌なやつではなく、ライバル達の気持ちにも共感できます。登場人物に強いアクのある人がいないので、比較的に心穏やかに読み進むことができるのではないかと思います。
幼いころに母親を亡くし、父親と二人で暮らしてきたふみ。暁先生も幼少期に義母と生活をしていて、うまくいかないわだかまり。そんな二人の心の中の寂しさがお互いの存在によって、埋まっていく様子に優し気持ちをもらえます。
全14巻で完結しており、ストーリーも読みやすいです。そして何度も読み返したくなる本です。読み終えた時に心が穏やかになるので、落ち込んでいる時にもおすすめします。