死霊館 / The Conjuring

死霊館 / The Conjuring

『死霊館』とは2013年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督を務めるのはジェームズ・ワン。超常現象研究家のウォーレン夫妻が調査にあたった実話を基に作られており、数々の事例の中で最も邪悪で恐ろしい事件とされている。死霊館ユニバースの1作目にあたる作品。ある日、ウォーレン夫妻の元に5人の娘をもつペロン夫妻からの依頼が入った。次々と起こる怪奇現象に怯える一家を救う為、ウォーレン夫妻は悪霊に立ち向かっていく。悪魔の恐ろしさに震え上がるサスペンス・ホラー。

go-1104331540699288360550のレビュー・評価・感想

死霊館 / The Conjuring
7

ホラー初心者におすすめ ユニバース一作目「死霊館」

多くの超常現象を解決した、アメリカでは有名な超常現象研究家のウォーレン夫妻を主人公にしたホラー映画です。

夜中に家の中で何かが這いずりまわる音がしたり、置いてあった物が勝手に動いたり、手の痕がくっきりと残っていたり……。流血表現に頼らない心霊ホラーで、被害者が幽霊の存在に気づき始める前半パートと解決策として招かれたウォーレン夫妻の登場する後半パートに分かれています。
この作品の特徴として、家族の絆や善性が強く描かれているというものが挙げられます。次第に激しさを増し、心霊現象による実害が深刻になる中、被害者一家はお互いの身を案じて励まし合います。主人公のウォーレン夫妻もまた強い絆で結ばれており、どんな邪悪にも屈することなく二人で立ち向かっていくのです。
実際に起きた心霊事件を題材にしているため、当然映画の結末も「解決」で終わります。それをウォーレン夫妻の知識と勇気だけでなく、被害者家族の信頼関係と愛情も絡め、人間の強さが邪悪なものに打ち克ったとも受け取れる描写になっているところが、ホラー映画をあまり見ない方にもおすすめできる理由です。
後味が悪くなく、流血表現もなく、それでいて恐怖感も薄くない。特に、一家の間で「目隠しかくれんぼ」が流行っているという設定で一味違った恐怖演出にする工夫が面白かったです。横を通りすぎていった足音と気配を家族だと勘違いして追いかける登場人物。ですがそれが幽霊だということは観客にしか分かりません。クローゼットがひとつあるだけの不気味な部屋に誘い込まれ、得体の知れない何かに手を伸ばすシーンのスリルはたまらなかったです。
怖いのは苦手だけど興味がある人やホラー映画は後味が悪そうというイメージがある人にも是非見てほしいです。