君が僕らを悪魔と呼んだ頃

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君が僕らを悪魔と呼んだ頃
10

主人公が異常だけどかっこいい

主人公の斎藤悠介は学生時代にありとあらゆる悪行を尽くし、失踪。
裸で発見された斎藤悠介は記憶を無くし、真っ白な人間になった。
目を覆いたくなるような悪行を重ね、友人ですら悪魔と呼ばれた斎藤悠介だが彼には何か人を引き付けるような魅力を感じました。
同級生の中でも一番ひどい目にあわされた一ノ瀬も、彼を殺してしまいたい衝動を持っているのにも関わらずなぜか斎藤悠介から離れられない…私も作品を読みながら、被害者の屈辱と加害者、斎藤悠介の償いについてとても深く考えさせられる作品でした。
登場人物も個性がかなり強く、悪行を重ねているにも関わらず正当な発言をする会澤も、おちゃめな雰囲気から一変し人を委縮させてしまうほどの話術を持っていてかっこよさを感じました。
人によっては被害者を思うと気分を害する作品かもしれません。それが本能なのか、偽善なのか…そんなことですら考えさせられる作品です。
やったらやられる、さらに強い力で制圧すると周囲にまで復讐の手が及ぶ事態に、記憶を失った主人公が生涯をかけてどう償うか。
復讐と恐怖の波にのまれそうな主人公が自分の意志で決断した道を阻害しようとする人物まで現れてしまいハラハラドキドキの作品です。
続きが気になって徹夜で読み切ってしまいました。