年代世代を超えて愛され続ける作品
無免許だが天才的な外科技術を持っている医師ブラック・ジャックが主人公の作品。
どの病院でも匙を投げられたような難病の人々を無免許医ブラック・ジャックが助けていく中で様々なドラマが繰り広げられていく。超天才外科医である彼のもとには様々な人が最後の砦として駆けつけるが、時には宇宙人も直してしまう。この作品にはこういうユニークなところもあり、そこがとても面白い。
いつも冷静沈着非常にクールな主人公だが、高慢な金持ちには法外な治療費を請求した一方で、貧乏な親子には無償で治療を施すといった人間味あふれる主人公。
そんな彼には秘密があり、なぜ無免許なのか?なぜ顔に大きな傷跡があるのか?読み進めていくうちに徐々に明らかになっていく。結局最後まで分からないことが多かったがこういった伏線には非常に引き込まれた。
ずいぶん昔の作品であるが今読み直しても新鮮で、一話一話映画を見ているような感覚に襲われる。命とは何なのか?生きるとはどういうことか?悪とは?正義とは?いろいろ考えさせられる作品である。
作者は言わずと知れた手塚治虫である。彼は実際に医学部を卒業しているということもあり、題材には非常に専門的な内容が含まれていることがある。その内容に矛盾やおかしなところが少々あり、批判的な意見もあるらしいがそこはマンガと思って読み進めていって欲しい。
私の知人にもブラック・ジャックにあこがれて医師を目指すようになった人も多数おり、医師の倫理観の形成に大いに貢献している。自分の子供に医師を目指してもらいたいご両親、今現在医師を目指している学生にぜひ読んでもらいたい作品。