薬屋のひとりごと

薬屋のひとりごと

『薬屋のひとりごと』は、日向夏による日本のオンライン小説、ライトノベル作品。コミカライズもされており、ビッグガンガン版(作画:ねこクラゲ、構成:七緒一綺)と「猫猫の後宮謎解き手帳」の副題がつくサンデーGX版(作画:倉田三ノ路)がある。なお2誌とも同じ原作の内容を描いている。物語は中国によく似た世界での話。元花街で働いていた猫猫(マオマオ)が後宮で働くことになる。そこで様々な事件に巻き込まれ(たまに自ら首を突っ込み)持っている薬の専門知識で事件を次々と解いていくファンタジーラブコメミステリー作品。

2aRIKU4673のレビュー・評価・感想

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薬屋のひとりごと
9

綺麗で読みやすいミステリー

たくさんの王様の妃や女中がいる後宮は、女の欲望や嫉妬が渦巻くドロドロした怖いところ。そんな場所が舞台の漫画では気分が悪くなったりする人もいるけども、この話はサスペンスやトリックが多く、ミステリー要素が強い。昔の化学が進んでいない時代なので、限られた情報・証言で真実にたどり着くのが面白い。
描写が綺麗でグロテスクなところも苦なく読めるのがとても良いと思う。険しい顔で睨んでいる女性なども、見ていて辛くない。後宮と言うことで衣装が綺麗だったり、背景が美しかったり、見ていて楽しい面もある。
主人公の薬屋と呼ばれる女性と正体を隠している上司の関係が面白い。片や女楼の下働きをしていた世の中の厳しさを知っている、全く男に興味がない娘。もう一方は世間知らずの良い所のお坊ちゃん。果たして恋になるのかどうか…。今後の関係が気になる。
薬物・毒・薬草・薬の調合などなど、知識を生かし不可解な死や事件、体調不良などを解決していく主人公。一見それらだなんの関わりもないように見えて、全て繋がっていた。ミステリー作品としてとても面白いと思う。事件だけでなく、カカオでチョコを作ったり、青い薔薇を作ったり、変な頼まれごとされてしまう。
そんな時代にこんなものを作るのか!と言う驚きもあって引き込まれた。男女関係なく面白いと思う。