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一緒に堕ちていってくれる珍しい歌手
鬼束ちひろさんはドラマ「TRICK」で有名な「月光」や、「流星群」などで一躍有名になった方です。
鬼束さんの素晴らしいところは切なさを忠実に感じさせる「声」と「歌詞」です。
鬼束さんの書く歌詞は独特な世界観なはずなのに、なぜかとても共感してしまう。「こういう思いを抱いていてもいいんだ」と思わせてくれる世界を書き、それを見事に声で表現しているんですね。その歌詞の一例をご覧ください。
「残酷に続いてくこの路で例えば私が宝石になったらその手で炎の中に投げて」
これは「眩暈」という歌詞の一部分なのですが、嫌でも続いていく人生という路で私を大事だと思うようになったならあなたから絶望へ捨ててほしいというような歌詞です。(私の勝手な考察ですが)。
この後の歌詞に関わってくる部分なのでこれ以上は控えますが、これだけでも鬼束さんの独特な世界観という部分は少し分かっていただけたかと思います。
鬼束さんはこのような歌詞をどの曲でも使い、他にはない世界を出すとともに、自分と同じ暗いところまで堕ちて来てくれているというのを声と歌詞で伝えていく、そんな珍しい方です。
いかがだったでしょうか?鬼束さんの手掛けた曲はどれを聴いても外れがないようなものばかりなので、興味を持っていただけたら是非1曲聞いてみてください。