動物のお医者さん / Doubutsu no Oishasan

動物のお医者さん / Doubutsu no Oishasan

『動物のお医者さん』とは佐々木倫子による日本の少女漫画。白泉社「花とゆめ」に連載された。獣医師を目指す西根公輝が北海道札幌市にあるH大学獣医学部で個性豊かな友人や教授、動物と関わりながら成長していくコメディ作品。主人公・ハムテルの飼い犬・チョビが話題を呼び、シベリアンハスキーブームを起こし、H大のモデル、北大獣医学部に志望者が殺到するなどの社会現象を起こした。2003年にテレビドラマ化された。

9apuchi1212のレビュー・評価・感想

動物のお医者さん / Doubutsu no Oishasan
10

80年代ファッションを楽しむ『動物のお医者さん』

『動物のお医者さん』は1987年から1993年まで『花とゆめ』に連載された作品で、北海道札幌市にあるH大学獣医学部を舞台に、学生や教授らと動物の関わりを描いた少女漫画です。
連載開始から30年以上経過していますが、H大学のモデルとなった北海道大学にはいまだに聖地巡礼としてファンが訪れるなど、人気は衰えていません。
ファッションに注目したいキャラクターは、主人公西根公輝(にしね まさき)の先輩として登場する菱沼聖子(ひしぬま せいこ)で、獣医学部公衆衛生講座に所属しています。マイペースな性格で、動作や話す速度も通常の人と比べて遅く、かなり個性的なキャラクターです。
彼女のファッションは胸元に花の刺繍の入ったワンピースや、セーラー服風のトップス、ミモレ丈のプリーツスカートなどガーリーな印象の物が多いです。当時流行していたピンクハウスの服をモデルに描かれたと言われており、その上に白衣を羽織る姿はとても魅力的に描かれています。
美しいファッションのキャラクターというだけでは終わらないのがこの漫画の魅力です。血が止まりにくいという特徴があるため、健康診断の採血で美しい服が血まみれになったり、貧乏な研究室でクーラーがないため水着をトップス変わりにして涼をとるなど、ファッションからもキャラクターとしての個性や魅力を際立たせています。
作者の佐々木倫子さんは絵が上手く、読んでいてうっとりとするような細い線が美しい作風です。
全12巻編成で、ぜひおすすめさせていただきます。