男と男の物語v
「速さが足りない!」という名言を聞いたことがある方も多いのではないかと思われる、2001年に放送されたオリジナルアニメ作品。
舞台は「ロストグラウンド」と呼ばれる、大規模な隆起現象によって日本から切り離された大地。そこに住む人間の中には「アルター」という特殊な能力を持った人間がいた。
友人の君島と何でも屋を営むアルター使いの少年カズマと、武装警察「ホールド」の中の特殊部隊「ホーリー」に所属する劉鳳が出会うことで物語は動き出す。
前半は「ホーリー」と、その秩序に従わないアルター使い、通称「ネイティブアルター」との対立が主軸となるが、回を追うごとに物語は複雑化していく。
全編を通して熱い男と男の物語だが、実は繊細な恋愛要素も持ち合わせている。
劉鳳と、幼馴染の桐生水守、同僚のシェリス・アジャーニの三人の関係は、最終的に意外な結末に落ち着く。また、カズマと、彼とともに生活をしていた少女、由詑かなみの二人の在り方も、恋愛という一言で表すには勿体ないほど特別なものだ。
対立し、やがて共闘し、それでもお互いに相容れない存在であると認識しあうカズマと劉鳳。丸々一話二人の「ケンカ」のために使われた最終回は必見である。
ちなみに、前述の「速さが足りない!」という名言はカズマではなく、カズマの兄貴分であるストレイト・クーガーの台詞である。
彼の特徴である早口は、その技術だけではなく内容も深いので、注意して聞いていただきたい。