最後まで続く、クセになる不気味さ
まず、この作品のポスターに描かれている女の子。綺麗な顔をした少女エスター。そんな彼女がある一家の養子になることから物語が始まる。彼女はこれまでも、養子に迎えてくれた家族を失ったりと、まだ少女ながらに辛い思いをしてきた。そんな彼女を迎えたのは、子供が欲しかったにも関わらず子供に恵まれなかった夫婦。物語の最初は、そんな家族と彼女が本当の家族になるまでの話。しかし、どうも少女の様子がおかしい。他人を蹴落としてまで自分のことを良く見せようとする姿、他人に対する無慈悲な行動。それは、これまで家族に恵まれなかった少女が身に着けた生きる術なのだ、最初はそう思っていた。しかし物語が進むにつれ、彼女の残虐性や異常性はより際立ち、周囲を混乱させる。彼女は、狡猾にターゲットを追い詰めてゆく。その手口はとても狡猾でとてもまだ幼い少女のものとは思えないものだった。物語のクライマックスに向けて、そんな不気味さがどんどん増してゆく。なぜ彼女はターゲットを追い詰めてゆくのか?なぜこんな小さな少女にこんなことができるのか?いくつもの疑問が湧いてくる展開。そして最後に明かされる衝撃の真実。その真実は、これまでの不気味さを全て解消してくれる絶対解。もう一度不気味さを味わいたくなる、クセになる作品。