子どもが生まれてから再度見るべき作品
細田守監督、スタジオ地図作成となる日本のアニメーション映画である。
あらすじ
女子大生だった花が恋をした男はニホンオオカミの血を引く獣人だった。。知りながらも2人の子どもを産んだ。姉の雪、弟の雨。雨が生まれて間もないころ、交通事故で「おおかみおとこ」は亡くなり、花は一人で「おおかみこども」を育てることとなる。
「おおかみこども」を育てるうえで、都会での暮らしは難しく、人里離れた古屋を改築し、3人で暮らし始める。
花は「おおかみこども」であることを知られないよう、人との関わりを最小限に、と思いながらも地域の人々の優しさに支えられていく。
雪と雨は社会との関わり、自然との関わりを通じ、成長するなかで雪は人間として、雨はおおかみとして生きることを選択する。
レビュー
母である花は「おおかみこども」である2人が「人間として生きていくこと」もしくは「おおかみとして生きていくこと」のどちらも本人たちの意思で選択できるよう、環境を整えてあげる姿に理想の母親像を感じた。
子育てをしているとどうしても親の希望・親の思いを子どもに強制してしまうことも少なくないだろう。しかし、花はあくまで子どもたちの人生を歩めるよう心掛け接している。これだけだと、花があまりに理想的な母親すぎて、同じ母親として息が詰まるのも本音である。しかし、雨が「おおかみとして生きること」を選んだ時、花は一瞬躊躇する場面がある。そこに、花の人間らしさが垣間見れ、共感しやすい。子どもが生まれ、もう一度見ることで面白味が増す作品である。