ドラえもん のび太の恐竜2006 / Doraemon: Nobita's Dinosaur 2006

ドラえもん のび太の恐竜2006 / Doraemon: Nobita's Dinosaur 2006

『ドラえもん のび太の恐竜2006』とは、2006年に公開された映画である。1980年公開の『ドラえもん のび太の恐竜』のリメイク版だが、当時の最新の学説が取り入れられたため、前作と異なる内容もある。偶然恐竜の卵の化石を見つけたのび太は、タイムふろしきに包んで持ち帰る。卵から孵ったフタバスズキリュウを「ピー助」と名づけ育てるが、あまりに大きくなってしまい、のび太はピー助を元の時代へ帰そうとする。興行収入は32億8000万円を突破した。

sionのレビュー・評価・感想

ドラえもん のび太の恐竜2006 / Doraemon: Nobita's Dinosaur 2006
9

秘密道具の便利さを実感。

旧ドラえもんと比べるとがらりと雰囲気を変えたせいか、旧ドラ好きには厳しい評価をされている様な気がします。デザインや等身が一新されて、より原作コミックののびた達に近い仕上がりになったところは個人的にとても好ましいと思っています。
新ドラえもんの劇場版シリーズはかなり試行錯誤を重ねているようですね。ひみつ道具博物館、カチコチ大冒険と比較すると随所に恐ろしい雰囲気の漂う一本です。恐竜の描写がわりと容赦なく迫力があります。また、ドラえもんの言動がちょっとらしくないと思えるほど無責任なので、いつもの便利な道具と監督役のドラえもんという存在によってもたらされる安心感が感じられません。
また、のびた達がかなりぐにゃぐにゃとゴムのように伸び縮みするので弱冠見づらいのも気になります。
本作の特徴としては、元がドラえもん劇場版としては初期作品のため、登場する道具の種類が少ないです。いつもならジャングルの奥地であろうと砂漠のど真ん中であろうと食事も寝床の確保も楽々快適に過ごしているのびたくん達ですが、今回は白亜紀の広大な台地を自力で歩いたり野宿したりと、結構過酷な冒険を繰り広げています。
エンドロールをみるまですっかり忘れていたのですが、ピーすけの声を担当しているのは神木隆之介さんで、そういえば当時は話題になっていました。かすれた特徴的なボイスでのびたに甘えるピーすけは、ラストのシーンをいっそう切ないものにしていると思います。