十二単衣を着た悪魔

十二単衣を着た悪魔

『十二単衣を着た悪魔』(じゅうにひとえをきたあくま)とは、内館牧子の長編小説『十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞』を原作とした2020年11月6日公開の日本映画である。監督は黒木瞳、主演は伊藤健太郎が務める。就職試験に連敗し自暴自棄になっていたフリーターの青年が、雷に打たれて『源氏物語』の世界へとタイムスリップし、そこで光源氏を忌み嫌う悪女として知られる弘徽殿女御に出会い、自身の生き方を見つめ直して成長していく姿を描く。
就活の連敗や優秀な弟と比較される日々に劣等感を抱いていたフリーターの伊藤雷(いとうらい)は、日雇いバイトの帰りにあてもなく夜の街をさまよっていたところ、突如として落雷の光に巻き込まれ、『源氏物語』の世界へ入り込んでしまう。現代の知識がないまま不審者として牢に入れられてしまった雷だったが、バイト先でもらった頭痛薬を使って弘徽殿女御(こきでんのおおきみ)の偏頭痛を和らげたことから、彼女の目に留まることになる。
弘徽殿女御に気に入られた雷は、咄嗟の出まかせで陰陽師・伊藤雷鳴と名乗り、御簾の向こうにいる彼女の前に姿を現す。そこで雷が目にしたのは、世間で悪女と評される姿とは異なり、我が子を深く愛し、歯切れの良い物言いで信念を貫く気高い女性の姿だった。自分の能力で生き抜く弘徽殿女御の在り方に強く触発された雷は、千年前の平安京という異世界で、現代での挫折感を乗り越えて少しずつ自分の価値観や生き方を変えていくこととなる。それぞれの運命が動き出す中、雷がどのように現実と向き合い、未来を切り開いていくのかが描かれていく。

hibiki-shiokawa0のレビュー・評価・感想

十二単衣を着た悪魔
4

もっとコメディ色強めで良かった

黒木瞳が監督を務めた「十二単衣を着た悪魔」。2020年11月に劇場公開された今作は、大学生で就活59連敗中の主人公・ライを伊藤健太郎が務めています。物語冒頭で、付き合っていた彼女から「別れて」と言われるライ。「彼氏が定職についていない時点でありえない」と彼女は言いますがライは「採用担当者の見る目が無いんだよ」と小言を言います。するとライの彼女は「すぐ文句ばっかり言う」と指摘され、そのままフラれてしまいます。そんなライは落ち込み呆然とします。その後道端で落とした荷物を拾っていると、車にはねられそうになり道路に座りこみます。すると次の瞬間、雨が降り出します。雷まで鳴り始め、ライは落雷を受けます。ライが目を覚ますと、そこは1000年前の日本でした。ライは物語冒頭にて、派遣先で源氏物語のイベントに関わり源氏物語に詳しくなってからタイムスリップしたことにより、1000年前の日本で出会った人たちの行く末を知っていたことから「陰陽師」だと思われ、ライの占いはよく当たると人々から支持されてゆきます。この映画作品の残念な所は、「とにかく中途半端な所」です。わずかにコメディ要素を含んでいること、源氏物語に関わった主人公・ライがタイムスリップ先で幸せになるのかと思いきやそうもいかないこと、突然現代に戻されること…。物語的には、ハッピーエンドにしたかったようですが、時間が長かった割にしっかり描けていない所が残念でなりません。配役は、とても良かったと思います。