イングロリアス・バスターズ

イングロリアス・バスターズ

『イングロリアス・バスターズ』とは、クエンティン・タランティーノが監督と脚本を手がけた2009年公開のアメリカ合衆国の戦争映画である。ブラッド・ピットやクリストフ・ヴァルツ、メラニー・ロランをはじめとする豪華キャストが出演している。
第二次世界大戦中のドイツ国防軍占領下のフランスを舞台に、物語は全5章で構成されている。ナチス親衛隊の大佐に家族を奪われたユダヤ系フランス人の映画館主ショシャナと、ユダヤ系アメリカ人による秘密部隊「バスターズ」を率いるアルド・レイン中尉という、ドイツ指導者の暗殺を企てる二組の主人公の復讐劇と戦いが描かれる。クライマックスでは、ドイツのプロパガンダ映画のプレミア上映会が催されるショシャナの劇場で、壮絶な炎上劇と計画が展開される。
第62回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で発表された本作は、世界各国で商業的にも大きな成功を収めた。全世界での興行収入は3億ドルを超え、タランティーノの監督作として最大のヒット作となった。批評家からも高く評価され、特にナチスの将校を演じたクリストフ・ヴァルツの演技は絶賛され、アカデミー賞助演男優賞やカンヌ国際映画祭男優賞など数々の賞を受賞した。歴史の枠組みを大胆に書き換えるタランティーノならではの演出と、緊張感あふれるストーリー展開で多くの観客を魅了した。

yamaken-0404_02203のレビュー・評価・感想

イングロリアス・バスターズ
9

鬼才クエンティン・タランティーノの秀作

鬼才クエンティン・タランティーノの秀作、イングロリアス・バスターズ。
第二次世界大戦のヨーロッパを舞台に、極悪非道の限りを尽くしていたナチス兵を討伐する極秘部隊「イングロリアス・バスターズ」の活躍を描いた本作品。
ユダヤ人一家を匿うフランス人酪農家を尋問する「ユダヤキラー」ことナチス兵のランダ大佐、映画館の劇場支配人でユダヤ人のショシャナが復讐の為、ナチス兵関係者をプロパガンダ映画の上映会に招待する。また、関係者が一堂に会する劇場でナチス兵を一網打尽に討伐しようと目論見、ドイツ人として潜入するバスターズ。など、本作は戦争映画でありながら、ド派手な銃撃戦などではなく、癖のある魅力的なキャラクターの様々な思惑が交錯する群像劇かつ、タランティーノ脚本特有のセリフのセンスが光るスリリングな心理戦が特徴のエンターテイメント作品となっています。
特に魅力的なキャラクターとして「ユダヤキラー」ランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツの演技が素晴らしく、全編通して憎たらしいけどスマートで気品がある魅力的な悪役となっています。
また、タランティーノ監督の自由な発想や構想でフランスが舞台なのに英語圏で映画をヒットさせるため、「登場人物がいきなり英語を話す」などのハリウッド映画界の暗黙のルールを逆手に取り伏線に使うところや、歴史的史実を捻じ曲げて、フィクションだからなんでもありだろと思い切った結末にするあたりなどは痛快です。
映画界に革命的な発明をしたとも言われている作品となっています。