遊べるレベルではあるが原作再現度の低いゲーム
映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を題材としたゲームボーイアドバンス版RPGは、原作ファンからしてみれば中々ツッコミ所満載なゲームです。
まず、自分を虐待する親戚の家から脱走する経緯がこのゲームのプロローグではカットされており、なぜハリーが家出して街を彷徨っているかわからなくなっています。次に、海外からローカライズした際の仕事の雑さのせいか、文章が変な区切り方をされていることが目立ちます。主要人物のグラフィックも手抜きかつ原作無視が甚だしく、特にハーマイオニーに至っては壊滅的です。さらに原作では外敵に侵食されることなどないはずのホグワーツに敵モンスターが跋扈するなど、こうしたところも原作を再現していないところと言えます。マップが存在しないため、初見や攻略情報なしでは遭難しやすいという難点も抱えています。クディッチのシーンを全カットされているのも悩ましいところです。さらに、ラスボスがなぜか原作とは異なりマルフォイであるのも中々のツッコミ所です。
とはいえ、このゲームは原作と切り離して考えれば最低限の品質は備わっており、2004年発売のゲームであることからいい加減攻略情報も充実しているため、クリアすること自体は容易です。仕様通り完成はしているので、評価は4点とします。