大人でも楽しめるドラえもん映画
映画『ドラえもん のび太と雲の王国』は子供でも大人でも楽しめる映画です。
冒険の舞台は雲の上。 雲の上は、はるか昔から天上人の住む世界となっています。
この世界では私たち地上人よりも進んだ科学力を持っており、遠い星の宇宙人と交流をすることもできます。
雲の上には絶滅した動物が住む自然豊かな森があり、面積が北海道くらいの雲に大規模ソーラー設備を作り、そのエネルギーを使って首都のある中央州ではたくさんの天上人が生活しています。
ドラえもん達は、天上世界から逃げてきたとある少年との出会いをきっかけに、天上人と交流することになります。
雲の上に住む天上人達は、地上人のせいで年々住みにくくなっていることをドラえもん達は知ります。原因は地上人の引き起こす排ガスをはじめとした環境問題の影響です。雲の上の生活環境は日に日に悪化し、天上人は、自分たちを守るために地上世界を滅亡させる「ノア計画」を進めています。
ドラえもん達はこの事実を知り、なんとかこの計画を止めようとします。
人類の生存か、天上人の生存か、難しい問題にドラえもん達は苦悩します。
苦肉の策で、天上人にとって脅威となる雲戻しガスを武器に、天上人と話し合いを試みます。その最中、天上人に恨みを持つ一部の地上人がドラえもん達の隙を突いて雲戻しガスを奪い、これを天上世界に向けて使ってしまいます。雲戻しガスの威力は一瞬で雲の大陸一つを消し去ってしまいます。
ドラえもんはこの事態に責任を強く感じ、多くの天上人を救うために、自ら雲戻しガス施設に体当たりしてこれを破壊します。これがきっかけでドラえもんは完全に壊れてしまいます。
のび太をはじめ多くの人が悲しみに暮れる中、以前のび太が育てたキーノという木の宇宙人が超能力でドラえもんを一瞬で直します。そしてキーノは地上人が悪い人ばかりではないことを天上人に訴えかけます。
このことをきっかけに地球や天上人を大切にする地上人の存在を、天上人達はあらためて知ることになります。
天上人は「ノア計画」を白紙に戻し、自分たちが平和で安全な別の星に移住することで解決することにします。こうして地球に平穏が訪れることになります。
映画ドラえもんは全部で2021年現在40作品作られています。本作は第13作目で1992年公開されました。
本作は環境問題や正義とは何か、大人でも十分楽しめる内容です。
若き武田鉄矢さんが歌謡曲調のエンディング主題歌を歌っている点が渋いです。
この映画を見た多くの人は、ドラえもん達の冒険を通して、現実に生きるこの世界でも、常に他者と対話が大切だと気づかされます。
過去に人気のドラえもん映画、その多くが近年リニューアルされて公開されていますが、雲の王国はいまだリメイク新作公開されていません。
公開当時、作者藤子・F・不二雄は、原作執筆時に体調不良の中苦労しながら作られたそうです。作者自身思い入れの深い作品でもあります。
今一番リメイクをしてほしい作品です。
大人でも楽しめるドラえもん映画『ドラえもん のび太と雲の王国』 ぜひご覧ください。