新宿スワン / Shinjuku Swan

新宿スワン / Shinjuku Swan

『新宿スワン』はアンダーグラウンド系の日本の漫画である。作者は和久井健。講談社『週刊ヤングマガジン』で、2005年20号から2013年45号まで連載された。スカウトマンをテーマにした物語で、和久井にとって連載のデビュー作品となった。主人公は19歳の白鳥龍彦、通称タツヒコ。ライバルの死や暴力団がからむ違法薬物の取引、そして信頼していた仲間の裏切り、そして、タツヒコの知らないところで大きな復讐の計画が動き出していた。数々のトラブルに見舞われながらも逃げずに立ち向かうタツヒコの成長する姿を描く。

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新宿スワン / Shinjuku Swan
9

貫く強さ

講談社から出版の全38巻『新宿スワン』。
テレビドラマや映画にもなっているほどの大ヒット作品のひとつ。
この物語はある1人の貧乏でどうしようもない男が【真虎】というスカウトマンに出会ったことをきっかけに物語が始まっていく。
主人公、白鳥タツヒコ19歳の波乱万丈な成り上がり人生を描いている作品である。
白鳥タツヒコは純粋であるが故に、仲間に裏切られ利用され時には死に直面するようなことが起こってしまう。
それでもその中にあるわずかな希望の光を追い求め続けていく、そんな彼の魅力にどんどん引き込まれていってしまうことだろう。
自分の気持ちに正直に泣き、笑い、時には感情を剝き出しにして怒り、こんな馬鹿正直なタツヒコに心を鷲掴みにされる読者も少なくないだろう。
こんなにもリアルに山あり谷ありな人生に痛感させられる作品も珍しい。
ラストシーンではまさかのという思わぬ展開も見どころ。ラストのオチが今まで読んだ漫画の中でも最高に素晴らしい。
最後の最後までハラハラさせられ、まるでサスペンス映画を観ているかのような気持ちにさせられることだろう。
人の心境や環境、常に移りゆく街並みに吞まれながらも必死にもがいて生きていこうとするその姿に熱く胸を打たれながらぜひ読んでもらいたい作品のひとつである。