ラストが‥。
歴史少女漫画としてそれこそ長い歴史もある漫画なのに、ラストシーンがあれでは少々残念。無理矢理あの展開にもっていくなんて!これまでの総司とセイの関係、そして前巻で二人が秘密裏ではあるが夫婦になったことを考えれば無理にあのラストシーンにせずとも良かったのでは。セイが総司のいない世界で生きていきたくなく、死に場所を求める気持ちも分かる。だからって生きていく希望を与えるためにまさかあの人との子を作らなくても良かったのではないか。個人的にはラストシーンには最初の伏線回収の意味も込めて総司からセイへの手紙がある形の方がすっきりするように思う。恐らくその手紙でセイが納得するか作者も疑問だったため踏み切れず、少々ずれたあのシーンになってしまったのだろう。兎に角ラストシーンは多くの読者が疑問に思う、もしくは呆れ返るシーンになっている。ただ、巻末に記載されていた参考文献一覧には目を見張るものがある。正直、歴史漫画の創作にあれほどの参考文献を読む漫画家は渡辺さん以外にいないだろう。恐らく一般大学生が卒業論文を書くときでもあの量の文献を漁ることはないだろう。本当に時代考証のしっかりした超大作といえる作品。ラストだけは変えてほしかった。