志乃ちゃんは自分の名前が言えない

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』とは、押見修造による漫画作品、およびそれを原作とした実写映画である。ウェブマガジン『ぽこぽこ』にて2011年12月21日から2012年10月17日まで連載された。全11話。
吃音症を抱える少女・大島志乃(おおしま しの)を主人公に描かれる青春ストーリー。高校に入学した志乃は、初日の自己紹介で自身の名前すら上手く言えず学園生活のスタートで躓いてしまうが、音楽を通じて初めての友人を得たことをきっかけに、不器用ながらも周囲と関わり成長していく姿が描かれる。
2018年7月14日には実写映画が公開された。監督を務めた湯浅弘章の長編商業映画デビュー作であり、南沙良と蒔田彩珠がダブル主演を務めた。撮影は静岡県の沼津市や下田市で行われ、文部科学省特別選定や厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財などの指定・推薦を受けた。

donpagos690のレビュー・評価・感想

志乃ちゃんは自分の名前が言えない
9

マイナーな映画だが最高級の作品。吃音の少女と、歌うことが好きなのに音痴な少女が紡ぐひとつの物語。

最近の若手女優の中でも注目度、知名度ともに上昇中の2人がダブル主演を務めた作品です。主演の2人が後にブルーリボン賞新人賞を初め各賞を受賞するなど、コアな映画ファンの間でも話題になりました。
吃音を持つ少女・志乃役を演じるのは、2021年春に『ドラゴン桜』で早瀬菜緒役を演じ一躍話題になった南沙良さん。この映画は過去の作品ではあるものの、『ドラゴン桜』で彼女の存在を知ったという人には是が非でも見ていただきたい映画のひとつです。
そして、歌うことが好きなのに音痴な少女・かよ役に抜擢されたのは、2021年のNHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』で主人公百音の妹役を務める蒔田彩珠さん。
彼女たちの演技がキャラクターに命を吹き込み、作品の中で確かに息づいているのだと感じる瞬間がいくつもあり、ひとつのドキュメンタリーを見ているような感覚に陥ってしまいます。
また、作品終盤の文化祭のシーンは、監督が最後の最後まで長いこと粘って撮った場面であることが後にインタビューで明かされていますが、このシーンはまさに圧巻です。泣きの演技が度々話題に挙げられる南沙良さんですが、この作品こそが彼女が涙を流すシーンで最も強烈かつ印象に残るのではないでしょうか。