BANANA FISH / バナナフィッシュ

BANANA FISH / バナナフィッシュ

『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』とは、『別冊少女コミック』で連載されていた吉田秋生によるバイオレンスサスペンス漫画。1980年代のニューヨークを舞台に、バナナフィッシュというドラッグをめぐる、ストリートキッズ、アッシュの戦いを描く。ハードな抗争を繰り広げる一方、孤高に生きてきたアッシュが英二との友情を通して人間らしさや愛を覚えていく姿が描かれている。かねてより名作として人気を博していたが、2018年に吉田秋生40周年プロジェクトでアニメ化され、人気が再燃した。

4zkonta920のレビュー・評価・感想

レビューを書く
BANANA FISH / バナナフィッシュ
7

原作の漫画も読みたくなる、胸が苦しくなる良作

舞台はニューヨーク。主人公は、聡明にして荒事にも滅法強く、金髪碧眼の美しい容姿を持つ少年・アッシュ。そのカリスマ性でストリートギャングを束ね、アンダーグラウンドで生活をしている。
ひょんな事からカメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。
ギャングを束ねる自分に対しても物怖じせず接する英二に、アッシュは次第に心を開き、お互いにかけがえのない存在となっていく。
バナナフィッシュとよばれる薬物を中心にスケールの大きなストーリー展開になっている。
どのキャラクターも個性的で魅力があり、各々のキャラクター目線の描写が細かいため、感情移入しやすい。
戦争や国家の闇の汚い部分と、アッシュと英二の関係性の明るく純真な部分が対象的に描かれていて、まだ少年であるアッシュが汚い大人たちと戦わなければいけない様は胸が苦しくなってしまった。
英二には銃のない世界で生活してほしいアッシュと、アッシュを銃のない世界に連れ出したい英二。二人はすれ違い、また別々の世界へと身を投じる。
死をもって、ある意味で銃のない世界に行くことができたアッシュ。そのことを知らずに日本で日常に戻ってゆく英二。二人の別れてしまった道があまりにも残酷で、鑑賞後はズンと重たい気持ちになった。