武士として本当に誇り高いのは誰か
多彩なアクションと広大なフィールドを駆け回る爽快感が楽しめるGhost of Tsushima。
とてもボリュームがあり、サイドストーリーも含めて作り込まれた対馬の景色とその人々の物語を楽しむことができます。ゲームのための時間がたくさん取れる方にはとてもおすすめの作品です。
十三世紀後半、コトゥン・ハーン率いるモンゴル帝国(大元)が、日本侵攻の足掛かりとして対馬を侵略しました。島を防衛する対馬の武士たちは蒙古(モンゴル兵)に敗れ、主人公の叔父である有力な武士、志村もコトゥン・ハーンに囚われてしまいます。そんな絶望的な状況の中、境井 仁(さかい じん)という名の一人の武士は何とか生き延び、冥府から蘇った者「冥人(くろうど)」として戦うことになります。
侍の道を守り武士としての誇りを持つ仁は、武士としての戦い方では大群をなす蒙古兵には勝てないと感じ、今までの道を捨てて闇討ちや爆弾、毒を用いる戦い方に手を染めていきます。初めはとことん劣勢だった仁ですが、彼を救いその戦いを支えるゆなや、ゆなの弟で鍛冶屋のたかといった仲間たちが増えていきます。そして仁の叔父であり恩師の志村を見事救い出すことに成功するのです!
喜びに浸る仁ですが、囚われの身になっても厳格な武士であった志村は仁が非道な手段に手を染めたことを受け入れられません。どんな手を使ってでも蒙古兵を倒し民と対馬を救うと志す仁と、あくまでも武士としての戦い方を守った上で対馬を取り戻そうとする志村の志は対立してしまいます。何度となく話し合う彼らですが、遂には互いの思いを理解することはできぬと決別してしまうシーンにはやり切れない思いがこみ上げます。
私はあくまでも民を優先して自分の武士の道を外れる仁に共感しますが、皆さんはどう感じるでしょうか。