終わるまで諦めない心
ダムダム。キュッ、キュッ。ビッ!パスッ。
…もはやバスケットボールの擬音を定番化した漫画であろう。
さらには、ラストシーンであるインターハイ2回戦、主人公桜木花道の属する神奈川県立湘北高校とインターハイ優勝常連秋田県立山王工業、ラスト9.4秒からの見所は、各々キャラクターの所作・動きだけで、ビリビリと緊迫感が伝わってくる。
SLUMDUNKというタイトルでありながら、主人公の桜木花道が決める最後のシュートはダンクシュートではなく、基本のシュートであるジャンプシュートだ。桜木の一言「左手はそえるだけ…」。
緊迫した状況下でも、確実に勝つために豪快な注目度あるダンクシュートよりも、2万本練習してきたジャンプシュートを冷静に狙いゴールし、湘北高校は勝利した。そしてその最後のゴールへ導いたのも、また桜木だ。残り10秒程で、山王工業に逆転された後でも試合が終わるまで諦めない心で、相手ゴールに真っすぐひたむきに走りだした。
湘北高校の安西監督の名言「諦めたらそこで試合終了ですよ」…名言が回収されたシーンである。
桜木もチームを信頼し、また湘北高校メンバーも桜木を信じて…。約4カ月程の物語だが、主人公桜木花道の成長過程を、疾走感を感じながら爽やかに堪能できる漫画である。