動物キャラだからって可愛いだけじゃない
このアニメはミステリーである。
動物をキャラクターにしたアニメは数あれど、ここまでダークでウェットな作品はなかなかないと思う。
動物が街を歩き、車を運転する。アイドルにだってなる。
あまりにも非日常的な光景でありながら、その中で暮らす動物たちは、人間の非情な日常をむき出しにする。
キャラクターが動物である事以外は、至って極々普通の生活だ。
故に、人間の悪い部分、目を瞑りたくなるような現実を淡々と見せつけてくる。実際、見ていて胸が苦しくなるようなシーンが何度もあった。そういう部分が面白いところでもあるのだと思う。
もちろん、ミステリーというだけあって話の構成も巧妙な作りになっている。謎をちりばめていきながら、最終話にかけてじっくりとそれらを明るみにしていく。
1話から最終話まで、ずっと楽しみながら見られると思う。最終話を迎えるのが楽しみであり、同時に終わってしまう悲しさを感じる作品であった。
また、このアニメの特徴の一つとして、声優にお笑い芸人を何人か起用してることが挙げられる。しかも、これが意外にもアニメの世界観にハマっているのだ。エンドロールのテロップを見て、「あの人だったのか」と気付く事がしばしばあった。まだ見ていない方は、気にしながら見てみてほしい。
ちなみに主人公の声優は、鬼滅の刃の主人公と同じである。
登場するキャラクターは皆、個性的で、それぞれのバックグラウンドがある。
一見接点のないようなキャラクター達が、少しずつ線で結ばれて物語の全体像が見えてくる。考察をしながら楽しんで見てほしい。