AI×美女×歌×タイムリープ×アクション
舞台は2061年、AIが浸透した社会。「歌で人を幸せにする」というたった一つの使命を帯びた自律型AIヴィヴィの元に、100年後の未来からマツモトと名乗るAIが訪れることから物語が動き出す。
マツモトの目的は100年後に起こるAIの人類への反乱を防ぐこと。そのための歴史改変計画「シンギュラリティ計画」と使命の狭間でヴィヴィは葛藤と選択を迫られていく。
本作の見どころは何と言っても自律型歌唱美女AIヴィヴィ。「歌で人を幸せにする」ことが存在意義でありながら、物語開始時点では観客の心を揺さぶる歌を歌えない。そんなヴィヴィが「シンギュラリティ計画」という100年の旅の中で、多くの人間やAIと出会い成長する。
ある意味王道のストーリーではあるが、キャラクターの美しい表情、派手でカロリーの高いアクション、ここぞという時に流れる音楽が物語を最大限に盛り上げる。
シナリオも整合性を維持しつつ、見せ場では良い嘘でキャラクターの心情に寄せている。
歌がテーマのアニメでは、宣伝のために脈絡もなく歌を流すケースもあるが、そのような心配はない。ヴィヴィ役の種崎敦美、マツモト役の福山潤がインタビューの中で「全部見て欲しい」、「何度も泣く」と語っているが、決してリップサービスではないと思える作品だ。