珈琲いかがでしょう

珈琲いかがでしょう

『珈琲いかがでしょう』は、『凪のお暇』などで知られるコナリミサトによる日本の漫画作品。マッグガーデン刊行の『WEBコミックEDEN』にて2014年から2015年にかけて連載され、2018年にはアニメ化された。
タコのマークの移動珈琲屋「タコ珈琲」の店主・青山一は一杯ごとに豆を挽き、お客様に合った珈琲を丁寧に心を込めて淹れる。珈琲とともにさりげない言葉で、傷ついた人々の心をほんのりほぐし、癒していく。しかし、いつも笑顔の青山には誰も想像出来ないような過去と心の傷があった。青山は一体何者なのか。日々がしんどくて癒されたい、人間関係を見直したい、そんな人々を優しく包み込む幸せを運ぶ移動珈琲屋。
珈琲のように癒しとほろ苦さもあり、ほっとする優しい物語かと思えば、誰も想像もつかない展開も見せる。
テレビ東京系にて2021年4月5日から5月24日までテレビドラマ化された。主演は中村倫也。2021年12月3日にはBlu-ray BOX、DVD BOXも発売された。

kkhr_584のレビュー・評価・感想

珈琲いかがでしょう
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人生模様いかがでしょう

『珈琲いかがでしょう』は、WEBコミックとして連載されていた作品。ドラマ主演俳優がコミックのビジュアルと似ていることで話題になった。作者は『凪のお暇』で注目されたコナリミサト。
コミックは全2巻(全3巻だったものを完全版として2巻にして発売)と、気軽に読める長さである。
※以下ネタバレ注意※
移動販売車で珈琲を提供しながら旅を続ける主人公(中村倫也そっくり)。何か理由があるのか、放浪の旅は続く。
主人公の昔を知る人物が登場すると、微妙な空気が漂う。
ひとつひとつの物語は短い。個性的なキャラクターが不器用に生きている。善と悪のボーダーラインが揺らぐこともある。「丁寧に、誠実に」というキーワードが繰り返される。「間違っていないのに、認めてもらえない。でも、いい加減に生きることも出来ない」、そんな人たちに主人公は優しく寄り添っていく。お説教や反省会はない世界だ。
後半になると、傷つき迷う登場人物たちも再生へと向かう。主人公の人生を変えた、珈琲の師匠とも言うべきタコさんのエピソードは必読。この作品の根幹とも言える(あえてネタバレはしない)。小さな物語が重なっていく。
いくつかの伏線が張り巡らされているが、ポップな前半からは想像もつかない。私たちの世界は甘くはなく、ほろ苦い。
「読むだけでいい、考えなくていいよ」という作者の優しさも感じられる。
珈琲に関する知識も得られて楽しい。ドラマ出演の中村倫也、磯村勇斗ファンは読めば彼らの演技力に脱帽すること間違いなしだろう。是非読んでみよう。