漫画を教科書に
新撰組。歴史が好きな人にとってはとても人気があり、小説だけではなくテレビドラマ、漫画、アニメ、ゲームにもなっている題材の一つである。とはいえ、日本史の勉強をするとなると「なかなか詳細まで頭に入ってこない」とお悩みの方も多いのではないだろうか。
そんな方にお勧めしたいのが渡辺多恵子原作『風光る』だ。
ストーリーは診療所の娘、富永セイが反幕派の浪人に殺された父と兄の仇を討つため男装し神谷清三郎と名乗って新撰組の前身である壬生浪士組に入隊するという、少女漫画にありがちな至って普通のあらすじだ。
だが、その特徴は、歴史背景や当時使用していた道具など、詳細に時代考証がされていること、また、少女漫画らしからぬリアルな殺傷シーンの数々、そして、当時流行っていたとされる修道(男性同士の恋愛)や女性特有のお馬(生理現象)などを事細かに描いていることなのだ。
特に、毎日使用する歯ブラシや当時の公衆トイレなど、彼らが日常生活に使用するものまで調べ尽くされ時代考証がされているので、登場人物たちの息遣いがとても身近に感じられるだけではなく、漫画が教科書代わりになってしまうのである。
この作品だけではなく、時代考証がしっかりされている漫画は勉強の参考書に最適である。登場人物に感情移入し、そのストーリーを楽しみながら歴史の勉強をすれば、漫画を読んでいても親から怒られる心配は無くなるだろう。