しゃべりだけで映画が成立するの!?
たいていの学園映画は、主人公が誰かと出会い、伏線にそって話が進み、最後にアッと心が動くような展開があることでしょう。この映画は、そんな先入観を捨てたほうがいいかもしれません。池松壮亮さんと、菅田将暉さんがW主演のこの映画は、ひたすら学校終わりに喋るだけ!関西のとある川沿いの道。瀬戸と内海は、たわいもない会話をひたすら続けます。二人は高校生なので、会話の内容といえば「マクドナルドのポテト、どちらが長いか」とか、「あの先輩まじで怖い」など、内容がない(笑)。でも、これはリアリティの高い作品です。男子高校生が放課後に話す内容なんて、深い浅いなんて関係ないと思います。学校生活のカースト制に悩んでいたり、塾にいくのが面倒だったり。彼らが頭を抱えて悩んでいるところが、大人になってみると羨ましく感じられるかもしれないです。おすすめなのは、この映画は2時間ぶっ通しで見なくても大丈夫なところですかね。一つのお題、あるテーマが終わるとアコーディオンのメロディーが流れ、また別のしゃべりが始まります。まるで講談。話に大きな展開はないけれど、瀬戸と内海、そのまわりを取り巻くひとたちが、今日も平和に生きてくれたらいいな、とじんわり心にぬくもりが感じられる、そんな作品です。