マイルス・デイヴィス

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マイルス・デイヴィス
7

80年代のマイルス

70年代後半から80年代初頭まで病気療養中だったマイルスが81年「ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン」で復活!活動凍結前の「アガルタ」「パンゲア」などの諸作品は演奏時間が20分ぐらいの曲が殆どだったが、フュージョンブームの影響もあってか復帰後の曲は10分以下と聴きやすくなっている。
世間的評価では「ユア・アンダー・アレスト」と「TuTu」だろうか。前者ではマイケル・ジャクソン、シンディー・ローパー、後者ではスクリッテイ・ポリッティをカバーしている。あとはマーカス・ミラーとの共同クレジットになる「シエスタ」だ。これは映画のサントラ盤だが一つのアルバムとしても十分に鑑賞できる作品だ。
やはり80年代のマイルスを語るにおいてマーカス・ミラーの存在は大きい。「シエスタ」の次の作品は「アマンドラ」だがここでもマーカスが大半の曲を提供している。特に前述の「TuTu」では殆どの楽器をマーカスが担当していることに注目してもらいたい。当時マイルスは60歳、マーカスは27歳だったが年齢の壁を超越していたように思える。とはいうもののライヴ・ステージでのサポートではマーカスは’83年初頭までとなっている。アルバムとしては前述の「アマンドラ」の次は「ドゥー・バップ」が最後のスタジオ・レコーディングだ。