日本語ラップ・DJ界を牽引し続ける2人
日本語ラップの曲の多くは、アンダーグラウンドな雰囲気がそこはかとなく漂っているように感じる。しかし、Creepy Nutsのスタイルはその真逆だ。日陰者、社会に溶け込めない人間、陰キャラ、これらの人にフォーカスした曲は若者を中心に絶大な人気を博している。
彼らの曲は学生時代の実体験を元にしていることもあり、多くの人に刺さるのも納得である。彼らは曲のみならず互いに個人でも数多くの実績をあげている。R-指定はフリースタイルの腕を競うMCバトルに参加し、ULTIMATE MC BATTLEの大阪大会で5連覇、UMBでは前人未踏の3連覇を成し遂げている。テレビ朝日のバラエティ番組『フリースタイルダンジョン』ではラスボスに君臨しており、名実ともに日本一のラッパーと呼ぶにふさわしい存在なのである。
相方のDJ 松永は東京で行われたDMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS 2019のバトル部門で優勝し、ロンドンでの世界大会で優勝したことで世界1位のDJとなった。
R-指定の圧倒的なリリックとDJ 松永のしびれるトラックの織りなす曲は、日本語ラップ界で異質な存在であるといえる。
韻やフロウなどラップ特有の技術を盛り込みながら、いい塩梅にJ-POP風なラップで、親しみのない方でも聴きやすいような味付けに仕上げている。
日本語ラップ、DJの頂点に立つ者たちが今までのラップとJ-POPとの間にそり立つ壁を破壊している。つまり、革命を起こそうとしているのだ。今後も彼らの活躍から目が離せない。