読んだあとの良い意味での脱力感
菅田将暉くんと小松菜奈ちゃんで映画化もされた少女マンガなので「タイトルは知ってる」という方も多いかもしれないです。
東京で読者モデルとして活躍していた主人公の夏芽が、家族の都合で突然片田舎の旅館に引っ越すことに。夏芽にとっては自然しかない田舎は退屈でたまらない上に、もう東京に戻れないのかもしれないという漠然とした不安感も襲ってくる。いてもたってもいられず、夜の海に繰り出す夏芽はそのとき、「神さんの使い」に会う。
この漫画は、あらすじをまとめようとしても簡単には纏まってくれないんです。いかんせん夏芽が小学6年生の頃から物語が始まって、最後には55歳の夏芽で終わるので。
また、各学生時代が色濃く描かれてるので、自分の青春時代に重ね合わせて読むことも出来るでしょう。
魅力ポイント①
子どもの繊細な感情の揺らめきを余すことなく伝える「瞳」
涙を堪える時や楽しいときの瞳の輝き方が全然違うんです。白黒でここまで表現できるのか、と心奪われること必然です。
魅力ポイント②
臨場感のある「コマ割り」
もはやそこにいるのではないかと思わせるようなコマ割り。枠を用意しておいてもそこからはみ出す人物たち。そこでも「本当にこの子たちはいるのかもしれない」と思わせられてしまいます。
魅力ポイント③
「神さんの使い」のコウちゃんと大友
そこの住人から特別視されているコウちゃんと平々凡々だが思慮深く明るい大友。
大友だけはコウちゃんのことを特別視せずそこがまた、男の友情ってよいな…とタオル片手におんおん泣きました。そういったエピソードが9巻にあるので是非…。
魅力ポイント④
コウ、夏芽を崇拝するカナちゃん
一番人間の良くないとこ出てる子なんですけど、そこがまた憎めないんです。
私に出来ないことをやってのける二人はすごいんだ、だから私は二人のために協力するんだ、そしてせめて嫌われないように少しでも特別になれるように。という独りよがりな考え!そしてそれを実現する行動力!!
一番身近に感じられるキャラでもありますね。
結構暴力的だったり、絶望的だったりするシーンもありますが、それも含めてこの作品の良さですね。
子どもはそういった不平等さをなんとか自らで淘汰するか飲み下すかして大人になっていく。完璧なハッピーエンドじゃないところが大きな魅力ではないでしょうか。
皆さんも是非読んでみてください~!