歴史的な名作!
連載開始当初から非常に評価の高かった「進撃の巨人」だが、今や全世界に人気が広がり、むしろ日本以上に海外での人気のほうが上回っているといえるだろう。
当初は、三重の壁に囲まれた人類が巨人と戦うストーリーとして知られ、ダークファンタジーないしミステリーという分類で紹介されていた本作。
巨人が敵であったはずが、気が付けば壁内人類の間での戦いに突入し、人類対巨人という構図から、人類(調査兵団)対人類(権力者および中央憲兵団)という形の内戦となる。
その後、内戦での勝利を経て、超大型巨人らの宿敵を撃破し、壁内から巨人を一掃することに成功した。
しかし、主人公エレンの父親グリシャの残した文書や写真などから、主人公たちの生まれ育った場所は海に囲まれた島(パラディ島)であり、島の外には大国マーレなど多くの国々が存在していることが判明する。
最終章ではこれまでのストーリーとは大きく異なり、国同士の戦争や差別、歴史問題や政治など、現実の我々の社会における解決困難な問題にもリンクするような、重いストーリー展開となっている。
間違いなくマンガ史に残る作品であるが、ひょっとするとマンガ初の「世界文学」的評価すらも狙えるかもしれない、歴史的名作である。