インセプション / Inception

インセプション / Inception

『インセプション』( Inception)とは、2010年7月に公開されたクリストファー・ノーランが監督・脚本を務めるSFアクション映画である。他人の夢からアイデアを盗み出す企業スパイ・コブは、その才能から国際指名手配を受け、さらに妻の殺害容疑もかけられていた。そんなある日、サイトーと名乗る男が、彼に風変わりな依頼を持ちかける。サイトーのライバル会社を潰すため、息子に夢の中で会社を潰すアイディアを植え付ける(インセプション)依頼だった。夢の中ならではの壮絶なアクションが魅力の映画となっている。

kyk_wednesday6のレビュー・評価・感想

インセプション / Inception
9

ここは夢。イメージの空間。

みなさんは眠る時、「夢」をみますか?どうやら夢というのは「深い眠り」よりも「浅い眠り」、レム睡眠の状態の時に見るもののようです。脳が記憶を整理しているとか、海馬に書き込んで長期記憶に変えているなど、科学では様々に解釈されるようです。ですが、昔から「夢」は占いに使われたり、精神分析に使われたりします。また、夢の中では「夢であるという認識」はありません。つまり、「自身の意識領域の外側に存在し、自分で操作することはできない」、そんな神秘的な扱いをされています。

この映画では、「夢の中」に入り込むことで他者のアイディアを盗み出す犯罪者を描いています。
面白いポイントは、「夢」と「現実」の狭間に狂わされている様が生々しく描き出されている点です。現実で失った大切なものを夢の世界に作り出し、その中に閉じこもることで夢を現実にしようとする。現代においては「ネット上の世界」と言えるのかもしれません。自分の都合の良い世界に閉じこもり、その世界で長い時間を過ごすことで、都合のいい世界が「本当の世界」と変わっていく。そんな、人の心の弱い部分をありありと描き出しています。
本作の監督クリストファー・ノーランは、独特の世界観を描き出すことで有名な監督です。本作以外にも、『インターステラー』、『メメント』、『ダークナイト』などがあり、『TENET』では「コロナによる客離れを再生させた作品」と言わしめたほどです。
その入門として『インセプション』、ぜひ一度見てみてはいかがでしょうか。