幅広い世代におすすめ
独特の雰囲気・世界観を醸す国民的歌手でありながら、メディア(歌番組など)への露出は極端に少なく、それだけに2002年のNHK紅白歌合戦の初出場は話題になった(余談だが、この出演時、緊張からか歌詞を間違えて歌っている)。
自身が作詞・作曲を手掛けた作品が5つの年代にわたってオリコンシングルチャート1位を獲得していることが、彼女の活躍年数の長さと幅広い年代から支持を受けていることを如実に物語る。
男女のめぐり逢いを縦の糸と横の糸の交わりに喩え、それを仕合わせ(幸せ)と歌った珠玉の名作『糸』(1998年)は今なお結婚式の定番曲であり、2004年には桜井和寿らが名を連ねるBankBandがカバー、2020年には菅田将暉主演で『糸』を原案とした映画が公開されるなど、時代をまたいで掘り起こされている。
また、1990年代には、『空と君とのあいだに』、『旅人のうた』が大ヒットドラマ『家なき子』、『家なき子2』の主題歌としてヒット、2000年代には『地上の星』、『ヘッドライト・テールライト』がNHKのドキュメンタリー番組『プロジェクトX』のテーマソングとしてあまねく知られ、2014年には『麦の唄』がNHK連続テレビ小説『マッサン』の主題歌として有名となった。
独特のタッチで書き連ねる歌詞と卓越した歌唱力は、他の追随を許さない。
2020年代もどのような曲を世に響かせてくれるのか楽しみである。