「心」とは「人」とは何かを問う漫画「寄生獣」
寄生獣は岩明 均先生が作画、原作を担当している、日本の漫画です。
今回は、このすばらしい漫画のレビューをしていきたいと思います。
この漫画の内容をかいつまんで説明すると、ある時宇宙から飛来した知的生命体で人間に寄生し頭をのっとる「パラサイト」と呼ばれる存在と、パラサイトに右腕を寄生され、人間の意識と脳を保ったままの存在「泉 新一」が、「パラサイト」と戦う中で「命の大切さ」「人の心」とは何か?「感情とは何か?」を問うようなストーリーラインとなっています。
この「パラサイト」は人のように個々に意志があります。通常人間の頭をのっとるので、その元の人間の心や意志は完全に消去され、二度ともとに戻ることはありません…(涙)
人格は完全に「パラサイト」そのものになり、体全体を触手のように使い、「寄生した生物と同種の生物を食らう」特性をもつ、まさに「人に化けた」怪物と化してしまうわけです。
主人公新一の右腕に寄生した「ミギー」にも意志があり、性格は残忍で感情はなく、ただ理性的に合理的に自分に得する行動や発言しかせず、新一と会話することもできるわけで、そんな「ミギー」と体を共有する「新一」が、ミギーから影響をうけ、そして「ミギー」もまた人間の心や感情に触れることで、一から倫理観や感情の大切さを学ぶといったような、巧みな構成となっています。
社会でうまく生きていく術を覚えると、人の「優しさ」や「愛」、人の「感情」や「心」を軽視し、計算や知識で人間関係や人生すべてをコントロールするようになっていってしまう人もいます…そんなひとにはとてもオススメです。
人の「大切なもの」を改めて、「ハッ、とさせられ、気付かせてもらえる」そんな漫画です。私はこの漫画に出会って本当によかったです。
とてもすばらしく面白い漫画なので、興味のある方は読んでみてもいいかもしれません。
参考になれば幸いです。ではでは!