さよならくちびる

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さよならくちびる
9

儚く切ない映像、人物、物語

ルックスはピカイチでファンから人気の高いレオと、作詞作曲、歌声と音楽の才能が溢れるハル。
2人を支えるマネージャーとしての立ち位置にいるシマ。
レオがダメ男に引っかかったりが原因でハルレオ解散の危機が何度か訪れるが、それでも乗り越えてきた3人。
だが、我慢に達したハルとレオはついに解散の意思をシマに告げる。
解散を止めるシマだったが、2人の意思は固かった。
この物語はハルレオ解散ライブから始まる。

ストーリーの強弱はあまりなく、穏便に進んでいくような感じです。
映像は綺麗で静かな雰囲気があります。
ですが、ハルとレオを演じる門脇麦さんと小松奈々さんの歌声は力強くどこか儚げで、思わず泣きそうになります。

世間で多く取り上げられているLGBTについても触れている作品です。
といっても、決してお粗末に触れているわけではなく、とてもとても繊細に触れられています。
ですので、バンド経験がある人はもちろん共感部分があるかと思いますが、もっと深く踏み込んだ部分で共感できる人が多い映画だと思います。
当事者である私は気持ちが痛いほど分かるので、話が進むほど共感しかなく涙が溢れました。

恋の行きつく先は、結ばれるのか結ばれないのか。
友情が行きつく先は、仲良しでいる事だけなのか。

ハル、レオ、シマは解散ライブで何を思うのか。

ラストに関しては腑に落ちないと思う人が多いかもしれません。
ですが、物語を振り返ってみると、この作品だからこそありなのかなと思います。