「家族」の在り方
父親の死をきっかけとした、3姉妹と腹違いの妹との同居生活を描いたヒューマンストーリー。綾瀬はるか演じる長女、長澤まさみが演じる次女、夏帆が演じる三女、そして広瀬すずが演じる四女のかけ合いが自然で、見ていて本当の姉妹のように感じます。長澤まさみがすずちゃんにマニキュアを塗ってあげるシーンがあるのですが、そこは休憩時間にしていたことを監督が使える!と思ってカメラを回したそうです。見逃してしまいそうなシーンですが、ぜひ見ていただきたいです。また、すずちゃんに自然な演技をしてもらうため、台本を事前に渡さず撮影時に演技指導した、という裏話もあります。何といっても樹木希林さんの演技力は必見です。舞台は鎌倉であり、東京のような忙しなさがないため、ゆったり時間が過ぎていく感覚を味わうことができます。桜や浴衣など、四季を感じさせる場面が入るのも魅力の1つと言えるかもしれません。また、父親が亡くなったり母親が異なったり、扱うテーマには重さがあります。ただ、そこではなくあくまで姉妹の日常にフォーカスしているので、観た後にはズシっとくる重さではなく、軽さが残ります。家族の形はそれぞれであることを提起してくれて、心を押してくれる作品でもあるのではないでしょうか。