やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 / 俺ガイル / My Teen Romantic Comedy SNAFU

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 / 俺ガイル / My Teen Romantic Comedy SNAFU

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』とは『ガガガ文庫』より刊行されている渡航によるライトノベル(2011年~)、及びそれを原作としたアニメ(第一期2013年4月~6月 第二期2015年4月~6月)。自身の書いたひねくれた作文をきっかけに「奉仕部」なる部活に入部させられたぼっちな男子高校生比企谷八幡。彼と、そこで出会った雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣たちがともに数々の経験を積み重ね、三者三様に変化していく様子がシニカルにコミカルに描かれている。

さくらのレビュー・評価・感想

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 / 俺ガイル / My Teen Romantic Comedy SNAFU
10

凡人が周りを変えるアニメ

このアニメは、主人公である比企谷八幡の視点から物語が進んでいくのですが、中高生の頃に感じていた社会のおかしなところや、直面する理不尽、問題などがリアルに描かれており、非常に中毒性が高いです。また、原作でも地の文が比企谷八幡視点ですので、学生の頃のリアルな心情に共感できる人も多いことでしょう。主人公はボッチであり、考え方がひねくれていますが、それでも彼なりの優しさや心情が垣間見えるシーンが多々あります。特に、一期で小学校のいじめに立ち向かう話はとても考えさせられました。小学校の頃のいじめってほとんど無自覚なことが多くて、学生間でのいわゆる「グループ」を外から見ると「バカばっか」と映ってしまうことが多くあり、比企谷八幡が考えた「グループ」を壊す作戦は完全に功を奏したわけではありませんが、確かにいじめられていた子やその周りを変えたのです。比企谷八幡は決して優れた能力や優れた容姿を持っているわけではありません。しかし、周りの人間に影響を与え、時に自己犠牲を伴って、周りを変えていきます。きっと見ている人も彼のように生きたいと思う人は少ないかもしれませんが、それでも世の中にはこういったかっこ悪い方法で周りを変えている人もいるのかもしれない、ということを教えてくれる作品です。また、比企谷八幡は決して主人公らしいとは言えませんし、ヒーローとは呼べませんが、それでも嫌いになれないキャラクターであり、他のキャラクターも「学生時代にこういう奴いたなぁ」と感じられるキャラクターが多いので、感情移入しやすいのではないでしょうか。為にもなる話も沢山あるので見て損はないです。