きみに読む物語 / The Notebook

きみに読む物語 / The Notebook

2004年制作。アメリカ映画。出演のジーナ・ローランズは本作でゴールデン・サテライト賞助演女優賞を受賞した。療養施設にいるデュークは、認知症の老女に物語の読み聞かせをしている。その物語とは、1940年代のある若いカップルの話だった。話を聞くうち、老女は時折記憶を取り戻す。原作はニコラス・スパークス。

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きみに読む物語 / The Notebook
7

若き葛藤から真実の愛までを綴った心に刺さる物語

誰しもが経験する若き日のありきたりな恋。
何気ない日常を過ごしていた二人は、当たり前の中に過ごすうちに惹かれ合い手さぐりながらも少しづつ愛を深める。
そんな幸せな二人にも恋の災難は訪れ、すれ違い、嫉妬、困難、揺れ動き葛藤する。

認められない愛にもめげることなく、彼女「アリー」を愛すると決めた主人公の青年ノア。

しかしある日ノアは徴兵になり二人は離れ離れになってしまった。
ノアに会うことができず、手紙も送られてこなくなったアリーは次第に、ノアからの好きという気持ちが自分に向いていないのではないかと思い込み、ノアへの愛が心の中から少しづつ薄れていく。
両親からノアとの交際を反対されていたアリーは、自分の気持ちにわずかな遺恨を残しながらも両親の勧める見合い相手と交際することになる。

しかし、ノアは徴兵期間中毎日欠かすことなくアリーに手紙を送っていたのだ。
アリーの両親によって手紙はアリーに届くことなく廃棄されていたため、アリーに読まれることはなかった。
徴兵から帰還したノアはそんなことを知る由もなく、手紙の返事がなくてもアリーを思い続け、二人の思い出の場所で家を建てる。

その後両親のした真実を知るアリー。
お互いに様々な感情を抱え再び出会う二人は、昔のようにケンカしすれ違い、そしてまた惹かれ合う。

様々な感情の描写がうまく描かれている。
恋愛を経験したことのある人なら通るであろう葛藤やどうしようもないこと、それでもいいと思えるくらい激しく惹かれてしまう
美しくも儚い恋模様を再現できている。

ラストスパートに向けての演出や、深い愛の形をこんなにも悲しく、そしてこんなにも温かく美しい物語で締めくくられている。

愛について考えさせられる名作。