少年誌のような熱さの青年漫画
歴史漫画。秦の始皇帝の時代にいた『李信』という将軍と、後の始皇帝になる『贏成』のお話です。第一話で将軍の李信が登場するのですが、彼がどのようにして将軍の道を進んでいくのかを描いていきます。味方である秦の将軍、ライバル達、そして敵国の王や将軍達のキャラクターの層が厚いのもありますが、どのキャラクターにもそれぞれの見せ場があり、最初はただの敵だったのに、退場する時は「なんてカッコいいんだ」と思わせるような演出があります。李信達主人公の目線だけでなく、敵キャラの目線でどうやって倒していこうか作戦を立てるところも魅力的です。歴史漫画に良くある戦争のシーンだけではなく、各国の政治家による内政、外交や政変が起こった時のドロドロしたシーン等もあります。最初はただの奴隷だった『信(後の李信)』が、戦争に参加する度に肉体的に、そして戦場に散っていった仲間や、自身の限界を超えて倒していった敵の将軍達を背負って精神的にも成長していく姿を見ることができます。戦闘シーンにおいても、どうやって作戦を成功させていくかを図に描いて説明していくので進展が分かりやすいです。掲載している雑誌は青年誌ですが、少年誌のような熱さがあります。