漫画『聖☆おにいさん』の感想
『聖☆おにいさん』は中村光が作ったギャグ漫画です。
主人公はキリストとブッダの二人組で、休暇中の二人が日本の立川でバカンスをするというお話です。
宗教が関係してくるお話なのですが、重たい話などではなく、とてもコミカルなお話になっています。キリスト教や仏教にそこまで詳しくないという人でも十分楽しめる作品だと思います。
設定が一見ハチャメチャで内容が薄いのではないかと感じてしまうと思うのですが、全くそんなことはありません。もはや芸術の域で話がまとめてあります。よくもこれほど複雑な設定で話が書けるなと作者に感心するほどです。
キリストとブッダという異色の組み合わせなのですが、二人のキャラクター性が上手く描かれており、二人が日本で生活する上でおこる人間と神の常識の違いや、神ならではの力を面白おかしく描いています。
さらに、キリスト、ブッダだけでなく個性あふれる大天使たちやブッダの弟子たちも登場します。新しいキャラクターが登場するたびにどういった人物なのかとてもワクワクします。
この漫画の強みは、実際の宗教史に沿った内容とうまく組み合わせた笑いを楽しむことが出来ることです。この漫画はクスっと笑える場面が多く、そして気づくとキリスト教や仏教に少し詳しくなっています。面白いギャグ漫画を読みたい人、宗教について詳しくなりたい人におすすめの作品です。