何者

何者

『何者』(なにもの)とは、2012年11月に発表された朝井リョウによる小説、およびそれを原作としたメディアミックス作品。小説は第148回直木三十五賞受賞作である。
主要登場人物は、二宮拓人、神谷光太郎、田名部瑞月、小早川理香、宮本隆良の5人。大学生の彼らは、それぞれの悩みを抱えながら就職活動に励む。
実写映画ではこの5人の大学生を、佐藤健、菅田将暉、有村架純、二階堂ふみ、岡田将生という錚々たるメンバーが演じた。

go-1101602739642471153404のレビュー・評価・感想

何者
9

人間の心の闇を晒すリアルホラー

まるで自分のことかと思うくらい、面白かったです。

人間の心の闇を晒すリアルホラーでした。これを映画で表現するのは難しいと思います。
アクション系の気分爽快で分かりやすい映画も好きですが、この映画のようにややこしくて深い闇のある映画も味があります。

この映画は現代の病気を表しています。バーチャルな世界に自分のペルソナを作り、誇張していく。頑張っている人を認めずに蹴散らして、裏で鼻で笑う。
表では言えない黒くてもやもやしたものをバーチャル世界に放ち、自分を保つ。
携帯電話がなかった時代は自分の心の中に留める人が多かったと思います。
しかし、現在ではツイッターなどの匿名の媒体を使い、心の声を出すことが自由に容易に出来るようになりました。
そして、自分の心の声だけではなく”他人の心の声”も簡単に覗けるようになってしまったのです。
携帯電話やスマートフォンは使い方次第では良くも悪くもなりますね。

なぜ、私たちは心の声を匿名の媒体に吐き出したくなるのでしょうか?
それは心の弱さからくるものなのかもしれません。リアルな自分を知らない人達だから言える、ただの虚像でもあるのです。

むしろ今のほうが心の強さは必要なのかもしれない、と考えさせられた映画でした。