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平成を象徴する女性シンガーソングライター
宇多田ヒカル(※以下、宇多田)は、1983年1月19日、父の宇多田照實、母の藤圭子の第一子として産まれた。両親ともに名だたる音楽関係者だったこともあり、幼いころからの英才教育によってデビュー以前から卓越した歌唱センスを有していたという。そして1998年、彼女が15歳のときにリリースしたファーストシングル「Automatic/time will tell」は、デビューシングルにもかかわらずダブルミリオンセールスを記録した。ちなみに、この時点で彼女は自らの母親が藤圭子であると公表していないため、世間は彼女の出自ではなく、純粋に彼女自身の実力を評価したことになる。続くファーストアルバム「First Love」は、当時の日本国内歴代アルバムセールスの記録を塗り替えるほどの大ヒットとなっている。彼女の魅力は、歌唱力もさることながらその独特な世界観にあると私は思う。彼女は自身の楽曲すべての作詞作曲を行っているという。そこから生み出される儚くも力強い音楽は、彼女自身の歌声と絶妙にマッチし、聴く者を虜にしている。一時の活動中止を終え、現在も映画・ドラマの主題歌を担当することが多いので、ぜひ一度彼女の音楽に触れてみてはいかがだろうか。