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凶暴な純愛。孤独な殺し屋に手を差し伸べたのは、誰?
母に勧められて、母と一緒に観ました。
「暗いよ」と言われていたので、どのように暗いのかとちょっとドキドキしながら観始めたのですが、開始10分も経たないうちに映画の登場人物たちの虜になっていました。
特にマチルダのあのくるくると変わる表情が、とても魅力的です。決して良いとは言えない家庭環境で育ったはずの彼女が、ある人物たちによって家族を失ってしまった時の彼女の表情、行動に、「ああ、それでも彼女は心のどこかで家族をよりどころにしていたのか」と思わせられました。
アクションシーンが多いのも特徴的です。アクションが好きな方はどっぷりとこの映画の世界にハマってしまうかもしれません。
殺し屋レオンのひたすら孤独な人生に、人間的な温かさを与えたのもまた彼女であったと思います。
それまでの彼の人生はひたすら孤独で、仕事のために人を殺し、まるで感情を持たないロボットのように生きていましたが、彼がマチルダと出会ったことでその冷たく人間味のない彼の感情が少しずつ引き出されていきます。
凶暴な純愛、というコピーはまさにその通りだと思いました。ものすごい速さで駆け抜けていく、とても冷たくて温かくて悲しい純愛。涙を流さずにはいられません。