文豪の知識関係なく楽しめるアクションバトル
孤児院を追い出された中島敦。自殺マニアの太宰治と出会い、異能力者集団・武装探偵社へ入社します。探偵社の仕事をこなすうちに、ポートマフィアや北米の異能力集団・ギルドとの争いに巻き込まれていく。ヘタレな主人公が仲間と共に成長し、奮闘する姿に注目です。
武装探偵社という名のとおり、ミステリー要素がしっかりしています。キャラクターの掛け合いにクスッとしたり、アクションシーンでハラハラしたりして楽しみは盛りだくさんです。
作品の一番の魅力は、文豪のキャラクター化。イケメンばかりの擬人化ではなく、文豪のイメージが反映されているので感情移入しやすいです。メモ魔の国木田独歩、俺様探偵の江戸川乱歩など個性的な人物ばかり。異能力も文豪のペンネームや作品名にちなんだものになっているので、キャラクターが増えてきても覚えやすいです。
文豪のエピソードを踏まえたネタも数多くあるので、文豪好きな人もしっかり楽しめます。私は、太宰治を慕う芥川龍之介や、女性キャラクターとして登場する泉鏡花などのオリジナルの世界観に面白さを感じました。大正らしい雰囲気がありつつも携帯電話のような現代の要素もあるので、歴史が苦手な人でも気軽に読みやすい作品です。