あんがい身近な特殊なお仕事
人の死は、普段あまり気にしませんが、毎日たくさんの人が死んでいます。死にまつわるお仕事と言えば、葬儀屋さんや、仏壇・仏具屋さんや、墓石屋さんくらいかと思っていましたが、特殊清掃員というお仕事があったんですね。部屋でひとりで死んでしまったら、後片付けをしてくれる人は、必須です。孤独死は、思っているよりも多く、日本がかかえる問題のひとつです。死に方も状況も様々で、きれいになくなる方ばかりではないですから、それは大変な職業です。主人公の正人さんが、霊感体質だったことには、笑ってしまいました。絶対就いてはいけない職業じゃないですか。作品の中では、作業の様子もわかりやすく描かれています。人がひとりで死ぬときの状況は、なかなか想像がつきませんが、この作品を読めば、いろいろな例があげられており、人の最後について考えさせられます。作業する清掃員の方の苦労は、部屋に残されたゴミだけでなく、遺体のにおいや、湧いた虫や残された体液や血痕からの細菌感染症のおそれなどたくさんあります。作品の中では、え!って思うものが落ちていたりして…。こわいもの見たさで読み始めても、人が死ぬということがどういうことか、自分が死ぬときはどんな状況だろうかなど、深く考えさせられる作品です。